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- 定期便をお届けしている方へ 2019年7月7日
いつも「ねぎぼうず」の野菜を食べていただき、
ありがとうございます。
旬の有機野菜セット定期便のご連絡が遅くなり大変申し訳ありません。
定期便の再開は9月中旬以降になります。
お米を毎月ご注文いただいている方には、
お米の発送に合わせて、その時ある野菜をお米と一緒にお送りいたします。
長文になりますが、以下に長いお休みを頂いた経緯と
今後の農園の発送スタイルについてお知らせいたします。
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この春は自分のこれからの農業のスタイルを考える、いろいろなことが起こりました。
就農以来借りていた山の畑2枚にイノシシが侵入して、
サヤエンドウなど春の主力野菜たちが全滅。
その他にもあちらこちらに大きな穴を掘られ、
この畑での耕作を諦める決断をしたこと。
この畑は日当たりが良く水はけの良い畑で、
土質もこの辺では珍しく比較的サラっとした土質。
もともとはミカン畑だったようで、
今借りている面積の半分ぐらいはユンボを使って開墾した畑でした。
難点と言えば冬にヒヨドリが来襲することと、水が撒けないこと。
いろいろ苦労しながら20年以上農薬化学肥料を使わず作り続けた畑です。
イノシシが出始めてからは地主さんと一緒に山全体を柵で囲って、
さらに畑を電気柵で囲って耕作していました。
毎年少しずつ被害はあったのですが、
この春の被害は「なんだか疲れてしまった」というのが本音です。
数年前からこのような事態を予測していて、
新しく耕作し始めた畑がありますが、
そこはまだまだ土が出来上がっていない。
水はけも悪く風当たりも強い。
この辺特有の強粘土質の畑の土。
いろいろ作付けてはいますが生育が今一つ。
仕切り直しって感じなのです。
畑一枚一枚、さらには畑の隅っこ真ん中など場所でも癖があり、
単純に畑の引っ越し!再スタートってわけにはいかず、
作物を育てながら少しずつ土を作っていかないといけないのだなあと、改めて感じています。
春の豆が全滅してしまったので、次はジャガイモに期待していたのですが、
梅雨に入り、今年はほとんどのジャガイモが腐ってきています。
さらにここへきて梅雨前線の活動が活発で、
トマトは枯れ始め、茄子やピーマンなどなかなか元気にならず、
梅雨明けてからの夏の太陽待ちな状態です。
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もう一つは田んぼが一気に1町2反増えて、田んぼ面積が4町歩になったこと。
そしてまだまだ田んぼの面積は増えていくだろうということ。
3月中旬からの稲苗の育苗、水止め、代かきなど米作りに追われてしまい、
畑作業が思うように進まなくなってしまいました。
普通の専業の稲作農家の面積からすれば4町歩なんて大したことないのでしょうが、
ここは中山間地で一枚の田んぼの面積が広くて2反。
しかも畦畔が広く段差がある田んぼが多い。
さらにすべて無農薬無化学肥料でやるとなると、
手が回らないのは当たり前なのかもしれない。
1町2反のうち、約1町歩は大規模にやっている法人の農家さんが作っていた田んぼです。
除草剤や化学肥料はもちろん使っていて、
田んぼの高低差も直すことなく、大型機械で耕して、
水なんかめったに見に来ないし、草が生えてくればどんどん除草剤を撒く。
結局経費ばかりかかってたのかな?5年ぐらいで撤退した田んぼでした。
そんな訳で田んぼ高低差直し、畦畔の修繕から始まり、
水を入れればジャンジャカ漏る状態で、穴を見つけては塞いで、
トラクターで丁寧に水止め代かきしてやっと田植えに辿り着いたのでした。
田植えが終われば予想通りに大量の田の草のオンパレード。
ヒエ、ホタルイ、コナギ、カヤツリグサ、カヤツリグサ、クログワイ、コキクモ、オモダカなどなど。
しかも除草で大活躍するザリガニは発生してこない。
除草剤やザリガニを殺す薬で全滅させられたのか・・・?
田んぼの生態系としては、田車で除草していた時には、とても静かだなと感じました。
長年無農薬無化学肥料で作っていると、
カエル(オタマジャクシ)、ザリガニ、ヤゴ、名前の分からないクモ、ケラ・・・、
田面には小さく蠢くミジンコやイトミミズがわんさかいます。
この田んぼという小さな限られた場所でも、
生態系をもとに戻すのに何年かかるのだろう?
なんてことを考えながら作業しています。
田の草取りは田植え後すぐのチェーン除草に始まり、
手押しの田車(人力除草機)、さらには動力の除草機・・・。
それでも出てきた草は抑えられず、これからは手で取るしかない状態。
すべて取り切れる面積ではないので、ある程度の諦めは必要と思っています。
来年の作付けに向けて草の出ない田んぼにしなければ・・・・。
さらに増えるだろう田んぼの事を考えると、
手の回らない田んぼや他の地区の田んぼは、
無農薬無化学肥料にこだわらなくてもいいのでは?
そんなことも考えるのですが、まだまだ私の中ではその選択肢は選べないです。
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農地のある南房総旧三芳村の山名地区は、
昔ながらの美しい農村風景が残っていた地域でした。
私が就農した20年前はイノシシ被害はなく、
谷の奥の奥の方まで田畑があり、耕作する人が沢山いました。
今ではその谷は鬱蒼とした山にのみこまれています。
農家を継ぐ人がいない、高齢化、イノシシ被害などなど。
農地は奥の方からどんどん荒れてきて、イノシシがどんどん増えている状態。
最近では鹿の被害も出始め、猿が来るのもそんなに遠くない話のようです。
何とかこの美しい農村の風景を残していきたい。
そして次の世代へ繋いでいくにはどうしたらいいのか?
試行錯誤中なのです。
就農した20年前には貸してくれる農地すらなかったような状態だったのに、
今では4町歩もの田んぼが私のところに集まり、
もうすでに来年は作って欲しいと言われているところも出てきています。
田んぼはこれからも増える一方だと思います。
高齢化で耕作する人もどんどん減ってくる。
農地、特に田んぼは作り続けていないと、荒れてしまます。
そして一度荒れてしまった田んぼはそう簡単には田んぼに戻すことができないのです。
カヤが生え、やがて木が生えて、気が付けば一面カヤに覆われていたり、
雑木林のようになってしまい、イノシシの住処になってしまう、
そんな中山間地の農地なのです。
農地を維持するためにも耕作を依頼される田んぼは、
出来るだけ対応していきたいと考えています。
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そして自分の体力。
今年51歳になり就農した頃のようにバリバリ体が動くわけもなく、
どうして若い頃はあんなに体が動いたのだろうと不思議に思います。
年齢や体力、今の農村の現状や天候を考えて、
無理はできないし、無理しても何もいいことはない。
そんな風に考えるようになりました。
腰痛にも悩まされ、効率よくできる作業が減ってしまいました。
今は少しずつ腰をいたわりながら鍛えて、
まだまだ何年もやらなければならない農作業に備えています。
あまり無理をせず、今ある現状とこれから農村に起こってくる状況を考えて、
今までの農園のスタイルを変えていかなければ、やっていけないと考えるに至りました。
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今後の定期便ですが、今の野菜の生育状況などを考えると、
セット野菜をお送りするのは、まだまだ目途が立たないというのが今の状況です。
お米をお届けしている方には、その時ある野菜を同梱しております。
そして8月下旬から稲刈りが始まれば、また定期便をお休みすることになります。
7月中旬から8月下旬の発送は生育状況を見て、
発送可能な場合はメールにて前もってお知らせいたします。
なお本格的な定期便の再開は稲刈りが一段落する9月中旬以降を予定しています。
3月中旬からの端境期のお休みから大変ご迷惑をお掛けしておりますが、
上記のような現状から旬の有機野菜セット定期便は9月中旬以降から再開になります。
ご理解のほどよろしくお願いいたします。
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そして今後の農園のスタイルですが、
今後も増えていく田んぼの面積を考えると、
米作りが本格的に始まる3月中旬より野菜の定期便は、半年間お休みさせていただき、
お米を毎月ご注文いただいている方に限り、
お米の発送に合わせて、その時ある野菜をお米と一緒にお送りする。
野菜の定期便は稲刈りが終わる9月中旬以降から3月中旬までの半年間の予定です。
田んぼの面積が増えたので、9月の新米からお米のご注文があるととても嬉しいのです。
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3月下旬の端境期のお休みのお知らせ以降、
あまり農園の様子などお伝えすることも出来ていませんでした。
ほぼ毎週欠かさずに書き続けていた農園通信「年中夢究」は、
すっかり書けなくなってしまいました。
HPやFBの更新もほぼ手付かず・・・。
自分の中に不安や迷いがあったり、農作業に追われるストレスだったり・・・。
さらには書かなければという強迫観念だったり・・・。
この先どういうスタイルで野菜やお米り続けていこうか悩んでいる最中で、
考えもまとまらず、お伝えすることができずにいたのです。
農作業や野良の花、生き物たち・・・。
これからまた少しずつHP更新していこうと思っています。
9月中旬の定期便再開の際には、メールにてお知らせいいたしますので、
よろしくお願いいたします。
長い文章になってしまいました。
乱文お許しください。
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いろんな野菜を少しずつ
有機農園 ねぎぼうず 根岸 典好
〒294-0804 千葉県南房総市海老敷422-1
TEL/FAX 0470-36-4683 携帯 090-1549-2592
HP https://negibouzu.org
E-mail negibouzu@kagoya.net
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